こんにちは~!
お気軽着付け教室KIMONO-gokoroの椿留美子です。
今日は舞台の世界で色々学んだことも踏まえてお話ししてみようと思います。
着物を着た時、うまくいかないことの一つに衿抜きがあります。
これは
衣紋を抜く
と言います。
着付けをしていても衣紋が詰まってくるのは、
特に着付けを習い始めたばかりのとき。
久しぶりに着物を着るとき。
最初は綺麗に抜けているな、って思ってもいつの間にか詰まってきている!
せっかくうまく着られたな、と思っても衿がなんだか苦しそう。
抜きすぎると花魁(おいらん)のようになってしまうので注意が必要ですが、
初心者の方の着付けでは「抜きすぎ」というのは、まず大丈夫です。
ではどのくらい抜くのが適当なのかといいますと・・・
一般的にはこぶし1個分と言われます。
先ほどの写真くらいですと結構抜けていますよね。
それくらいだと
「若い人」・・・振袖、浴衣
が適当です。
もちろん、普段着の小紋や訪問着などでも、若い方であれば、このくらいはよいでしょう。
中年層以降ですと、もう少ししまっていた方がよいと思われていましたが、
最近では抜き気味にしている傾向にあるように感じます。
ちょっと改まった場所へ出かける時は若い方よりは締め気味が良いかと思います。
そういう時は若い方よりは少し締め気味がよいと思われます。
ただし、ちょっと粋な感じに見せたいときはわりと抜いてもいいと思います。(普段着、浴衣など)
舞台で遊女を演じる時にはものすごく抜きました。
そして前合わせも詰まらないように、でもパカパカにならないように。
真面目な女学生をやる時は詰まり気味にしました。
見た目にも真面目に見えるんですねー。
着付けの技だなって思います。
見た目はその役の印象付けにとても大事です。
着方で性格、年齢など表せるんですから。
ということは現実も同じことが言えますね。
夏の着物は衿を抜き気味にすることによって周りの方に涼しげな印象を与えます。
ただでさえ、「着物は暑苦しい〜」と思っている方が多いのですから!
さて、着つけている間に襟が詰まらないようにするにはどうしたらいいでしょうか。
それは、いくつかポイントがあります。
①長襦袢の後ろ襟を調節するときは思ったより大きく開けておく。
②後ろ襟の位置を決めたら動かさず、前襟をぴったりと合わせ固定する。
↑ここがポイント!!
③さらに着物を長襦袢に合わせるとき、長襦袢に添わせるようにぴったりと合わせていく。
今は秘密兵器(?)として長襦袢に
「衣紋抜き」という、腰紐を通して衣紋が詰まりにくくする布が付いているものも多くあります。
これがあると詰まりにくくなります。強い味方です!
そして重要なのは前衿の合わせ方です。
後ろ襟を決めるのに重要なのは前衿なのです。
実は前衿の合わせ方にも年齢、見た目印象が関係してきます。
若い人は 詰め気味
お年寄りは 抜き気味
そして性格的な印象として表現したなら
真面目な人は 詰め気味
いい加減な人は 抜き気味
そうやって役作りにも生かしていきます。
面白いですね。
着付けに慣れて自由自在に着られるようになったら
着方によって印象作りも出来るということですね!
それから、おまけですが・・・
長襦袢の後ろ襟から着物を出すのに適当な長さは
着物が5mm程度出ているくらいです。
長襦袢が出ないようにしたいですね^^