こんにちは~!
お気軽着付け教室KIMONO-gokoroの椿留美子です。
今日のお話は普段着物を着ている方のお話です。
ちょっと思い出話です ^^
私は東京で生活するようになって、舞台をやっていてお芝居でしか着なくなっていました。
ちょうど息子が小学一年生で入学した時、担任の先生になる方は着物を着てらっしゃいました。
入学式で着物姿(卒業式ではありますが、入学式で先生が着物は珍しい)だったので
「おっ」と目を引きましたね。
白髪で着物姿だったので、「おばあちゃん先生」と勝手に呼んでいましたが、
実は思ったよりずっと若かったんです。(すみません!)
そして、入学式だから着物を着ていらっしゃるのかとおもったら、なんと
普段も着物姿
だったんです。
学校に着物姿、「素敵~~~♡」と思いました。
時には着物にモンペ。
↑ 体育の授業だったと思います。
(私も昔、モンペ姿でアルバイトをしていたので親しみがありました)
明治、大正時代じゃないんですから、学校の先生が着物姿なんて本当に珍しいです。
私たち父兄でも話題になっていましたヨ。
私はいいなあ、と思っていた理由は、
「ゆるっと着ている」
ということでした。
着物ってほとんどの方は結婚式とか、卒業式(あんまりいないですが)、とか
家族写真を撮るような行事に着ると思うんです。
着付けしてもらって、崩れないように。びしっと。
もちろん私も、着崩れると自分も気になるし、人の崩れているのを見ても気になる。
だから、ぴしっと、しゃきっと、着るわけです。
まあ、気持ちのよいものですが、
本当の普段着の着物って実はゆるっと着るんだ、って思い出したんです。
学生時代まで一緒に住んでいた祖母は、私が小さいころは着物を着ていました。
その時、確かにゆるっとしていました。
ゆるっと、というのはどういうことかというと
衣紋も、衿元も、詰まってなく、腰回りも程よくシワっとなっているんです。
それは着崩れているようには見えず、ただ動きやすい着方、ということです。
それが自然でいいなあ、と思えました。
私にはまだまだ出来ない域です。
でも学校では苦労されたようです。
「着物を着ていたらいざというときに動けないのではないか」
と批判の声もあったとか。
当時、通り魔的な見知らぬ人が学校に侵入してくるという事件もあったので
そういう風に言われたのかもしれません。
その時に先生はどう答えたかというと
「なーに言ってんのよ。
動けないと思うのは着物を知らないから。
帯があるからしっかり身体も守れる。」
と。豪快です(笑)
以前、シンプルステージという朗読劇をやったとき、
桜で染めた「桜色」の着物をお借りしたことがありました。
桜の花で染めたのではなく、幹で染めた「桜色」の着物。
幹で染めて「桜色」!!
すごい。染色家の方にとっては当たり前のことなのかもしれませんが、
私は初めて知って、自然の神秘を感じました。
そんなことも教えてくださいました。
私も先生のように、自然体で、そんな風に着物を着られるようになりたいと思いました。