「結婚式にどんな着物を着ていったらいいですか?」
こんな質問を受けました。
結婚式の形も今はさまざまですね。
どんな場所なのか、どんな主旨で行われるのか、それによっても変わってきます。
そこで、昔と今の結婚式の装いを考えてみました。
「晴れ着」
という言葉がありますが、
お祝いの席での 正装=礼装
ということになります。
また、正装(礼装)という意味だけを考えれば、
冠婚葬祭での主催者に対して失礼のない最高の装いのマナーで
お祝いをしたり、悼んだりする気持ちを表します。
もう一つの「晴れ着」という意味については
パーティなどの装いでその場を華やかに盛り上げる
ということもありますね。
時代を見ると世の中の節目で装いもずいぶん変わってきました。
明治維新から身分が士農工商→四民平等に。
戸籍が新設されて「家」重視の思想(家制度)が当たりまえでした。
結婚式は家同士の結びつきと考えられていました。
戦後は家制度が廃止されましたが、やはり結婚式場には
〇〇家 △△家
と書かれて根強く残っていますね。
仲人さんの存在も大きかったと思います。
今もそういう結婚式も(特に田舎では)あると思います。
女性は黒留袖の仲人さん(なぜか男性は洋服が多い)、
親、親戚も黒留袖の女性陣がそろっている。
親の知り合い関係がずらっと揃い、スピーチが延々と続く・・・
そうだった、そうだった、と思われる方も多いと思います。
これに比べてここ数年は自由度が増して、さまざまな形の結婚式が増えてきていますね。
仲人さんをやめて、人前結婚という言葉も出てきました。
結婚式、というより親しい友達を呼んでのパーティ、ガーデンウェディングなど。
ゴンドラから降りてくるお金をかける結婚式より、自分らしい形を作り上げている気がします。
(もちろん、式を挙げないという選択も)
そんな自分スタイルの結婚式でも、親は古典的な黒留袖、友人は振袖という姿も見られます。
今やそういった自由度の高い場になってきているのではないでしょうか。
私は現代と昔ながらの装いが入り混じっているのって、いいなあと思うのです。
お堅い結婚式は嫌だけど、白無垢を着てみたいという憧れがある女性もいらっしゃると思います。
装い
ということに関して言えば、こうじゃなきゃいけないという固定観念も大切ですが、
自由に選べるという選択肢があるならば、多くの日本人の宗教観と同様に?
(神前、仏前、キリスト教など人生で入り混じっていろんな行事で受け入れている)
日本の古来の良さと現代の流行りを織り交ぜて楽しんでいけたら、と思います。
「晴れ着」に関しての結婚式事情、今~昔。
これからもどんどん変化していくのでしょうね。
黒留袖もそのうち出番がなくなるかしら?
そんなことを思いました。
私は着たいんですけどね^^